【認知症高齢者の現状】 |
2000年4月に介護保険制度がスタートし、要介護認定が実施されたことにより、我が国の認知症高齢者の実態が初めて明らかになりました。
それによると、要支援(要介護)認定者に該当した高齢者のうちほぼ半数、介護保険施設入所者の約8割に認知症の症状がみられることがわかりました。
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全国の要介護(要支援:自立支援Ⅱ以上)認定者における認知症高齢者の将来推計 |
年 |
2005 |
2010 |
2015 |
2020 |
2025 |
2030 |
万人 |
170 |
206 |
249 |
290 |
322 |
354 |
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65歳以上高齢者における自立度Ⅱ以上の出現率 |
H17 |
H22 |
H27 |
H32 |
H37 |
H42 |
6.7% |
7.2% |
7.6% |
8.4% |
9.3% |
10.2% |
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認知症であり老人の日常生活自立度判定基準 |
ランク |
判断基準 |
Ⅰ |
何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している |
Ⅱ |
日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる |
Ⅲ |
日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする |
Ⅳ |
日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。 |
Ⅴ |
著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。 |
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認知症の原因(三大認知症)
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認知症の約9割は、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症およびレビー小体型認知症の3つで、三大認知症といわれます。ただし、認知症に関する医学は、いまだ発展途上であり、ピック病を含めて四大認知症とする説もあります。
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アルツハイマー型認知症
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βアミロイド蛋白といわれるたんぱく質が脳の神経細胞に蓄積し、神経細胞が破壊され脳が萎縮することによって起こる認知症。徐々に進行し、最後には脳幹の萎縮、自律神経の停止により死に至る、
集団に偏した生き方をする傾向がある。偽会話。私忘れ。
有病率は2:1~3:1で女性に多い。
発病初期の段階であれば、塩酸ドネペジル(アリセプト)の投与によって、進行を抑制することができる。そのほか、レミニールや貼り薬のイクセロンパッチなども、薬物療法として利用されるようになった。
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脳血管性認知症
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脳梗塞、脳内出血など、脳の組織が壊れることでおこる認知症。約8割がいわゆる脳卒中発作の後遺症として起こり、残る約2割は目立たない小さな脳梗塞によっておこるといわれている。
急激にボケになり、新たに脳組織が壊れない限り進行はしない。
個に偏した生き方をする傾向がある。
進行するに伴って、介護拒否・自傷他害・暴言暴力等の問題行動が発現する場合がある。
男性に多い。
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レビー小体型認知症
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たんぱく質の一種であるレビー小体が、脳の大脳皮質にできて神経細胞を障がいすることで発症。びまん性レビー小体病とも呼ばれる。
初期に幻覚(特に幻視)や妄想が出現。次第に物忘れなどの認知症の症状が現れ、されにパーキンソン病に似た運動障がいが出現する。また、日内変動が激しいといわれる。
男性に多い(女性の2倍) |
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